書評
―黒川幸雄・佐藤成登志・大西秀明/編集―「理学療法士のための6ステップ式臨床動作分析マニュアル」
川村 博文
1
1神奈川県立保健福祉大学理学療法学専攻
pp.132
発行日 2006年2月15日
Published Date 2006/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102534
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臨床動作分析手法は,日本に理学療法士が1966年に誕生して以来,いかに理学療法の臨床場面で役に立つ動作分析を行うかに関して長く論議されつつも,整理されず,混沌としてきた重要な評価手段である.臨床動作分析手法を確立するために多くの先人が,観察,静止画・動画撮影に基づく分析,二次元・三次元動作解析装置に基づく分析などを行い,創意・工夫してきた経緯がある.
本書は,この臨床動作分析の歴史と現状を理解した著者らの長い臨床経験と,新人理学療法士当時に気づいていた初心者に必要なポイントの導入を行うなど鋭い視点に基づき書き上げられている.また,臨床実習を経験した学生の意見に着目し,それらが随所に盛り込まれ,臨床場面で十二分に役に立つように臨場感のある構成となっている.さらに,臨床動作分析には不可欠な観察力,洞察力を高めることと実践的に治療を行うことを重んじた内容は,読者には頼もしい教科書になるものと思われる.
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