書評
―黒川幸雄,他(シリーズ編集)/宮川哲夫(責任編集)―「理学療法MOOK 4 呼吸理学療法 第2版」
福井 次矢
1
1聖路加国際病院
pp.1022
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101534
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今般,三輪書店の理学療法MOOKシリーズ4『呼吸理学療法』が10年ぶりに改訂され,第2版が上梓された.本書の最大の特徴は,EBM(Evidence-based Medicine:根拠に基づく医療)の実践に役立つ情報が提供されていることである.
医療におけるどのような教科書も,それなりの根拠に基づいて,読者に特定の診断検査や治療を行うよう薦めるのであるが,EBMの実践に役立つ情報とは,次のような①~③の手順を踏んだ情報を意味する.何らかの医療的介入(診断検査や治療,理学療法など)の臨床的有効性(あるいは無効性)を評価するにあたって,①電子的媒体などを用いて幅広い(悉皆性のある)文献検索を行い,②それらの中から最も信憑性の高い研究の結果(エビデンス)を確認し,③必要に応じて,国や社会,医療制度,医療機関,患者の個別性に配慮して,当該医療介入を推奨する(あるいは推奨しない)度合い(グレード)を決める.
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