連載 事例から探る地域医療再生のカギ・6
公立黒川病院の医療再生
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部マネジメント総合学科
pp.852-857
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209967
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■何が問題だったのか
①新病院建築費を契機とした医療崩壊
2004(平成16)年6月,大手新聞社の首都圏版に「公立病院譲渡のお知らせ」の見出しとともに1つの広告が掲載された.広告主は,宮城県大和町・大郷町・富谷町・大衡村の4つの自治体により構成する黒川地域行政組合.組合が運営している公立黒川病院(当時110床)の譲渡を広告するものであった.当時は,自治体病院の経営崩壊が相次ぐ前であったので,公立黒川病院の譲渡広告は病院関係者の注目を集めた.
黒川病院の前身は,1947(昭和22)年に開設された「宮城県農業会黒川病院」で,1956(昭和31)年には黒川郡内4町村による病院組合に移管された.1964(昭和39)年4月には110床の病院に全面改装され,地域の中核病院としてその役割を果たしていた.
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