1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
血圧脈波検査
古堅 貞則
1
1与那原中央病院リハビリテーション科
pp.529
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102313
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
血圧脈波検査は,足首と上腕の血圧の比較や脈波の伝わり方を測定し,動脈硬化の度合いや血管障害を調べる検査である.動脈硬化は心疾患の発症や予後を規定する因子と知られている.そのため,血圧脈波検査は循環器病を引き起こす動脈硬化の早期診断と管理に不可欠である.
実際の検査ではベッドに仰臥位となり,両側の足首と上腕に血圧計の帯,心電図の電極,心音マイクを装着し,足関節上腕血圧比(Ankle Brachial Pressure Index:ABI)と脈波伝播速度(Pulse Wave Velocity:PWV)を求める.測定結果は,コンピューターによってABI値とPWV値として数値化される.検査時間は5~10分程度である.循環器病保有者では,理学療法が処方される以前にすでに検査されていることもある.骨関節疾患においては,動脈硬化を疑わせる検査値が多く含まれるとの報告もあることから,潜在的に存在する血管病変を疑い,検査によって動脈硬化の傾向を把握し,運動負荷の質と量を考慮することは,運動療法にてリスク因子を増加させないために必要である.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.