ひろば
人間の個性と理学療法士としての人格
奈良 勲
1
Isao Nara
1
1金城大学
pp.541
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102318
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- 文献概要
動物学者によれば,人間以外の動物にも個々の性質・性格があるとのことである.双方を個性(individuality)と呼ぶこともある.しかし,動物の種は確認されているだけでも175万種であり,実際にはその7倍は存在するとも推定されている.さらに各種の個々の総数となると,天文学的数字になるに違いない.確認されているすべての種の動物に個性があるのか否かは検証しようがないと思うが,人間が日ごろ接触しているペットや家畜などの個々の動物の個性は掌握できると思える.私がペット店で文鳥を買ったときも,店員に「この子は気が強いですよ!」と言われた.多くの動物に接触していると,それらの個性まで掌握できるのだろうと思い,納得した.
だが,動物に関しては,人格(personality)に対比することばは見当たらない.製品の規格基準について用いることがある「動格」という言葉はあるが,通常,動物の格としての意味では用いない.むしろ英語のanimality(動物性,獣性)は,personalityに類似した言葉だが,動物の個性を意味するものだろう.とは言え,ゴリラ,ライオンなどの群れを統一する立場に置かれたボス格の動物は,群れの仲間からは種の保存と見守り能力を備えたanimalityを認められているに違いない.
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