トピックス
血圧・脈波測定法
正田 孝明
1
1愛媛大学医学部第三内科
pp.83-85
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100552
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はじめに
脈波検査は古くて新しい検査項目である.脈波検査は大きく分けて容積脈波(指尖,加速度脈波)検査,圧脈波(頸動脈,股動脈,足背動脈など)検査および心機図検査などが日常検査として行われている.脈波の形状,振幅,速度などから循環器機能,血管・脈管の状態を推測,観察することが可能なため,多くの研究者によって利用されてきた,1).
脈波検査は歴史的には古く,この検査から得られる情報量は多いものの,再現性と精度および術者による測定結果にばらつきがみられたことから,脈波検査はしだいに低迷してきた.
しかし近年,脈波検査が再評価されるようになったのは,測定精度が向上し,上下肢(四肢)血圧測定,心音図,頸動脈波から収縮期,拡張期血圧,脈圧,脈波伝播速度(pulse wave velocity,PWV)およびABI(ankle brachial index,足関節部血圧/上腕血圧比)などの測定が容易となり「血圧・脈波測定法」が日常検査法として利用されるようになったからである.血圧・脈球検査は動脈硬化,糖尿病,高血圧など生活習慣病,閉塞性動脈硬化症などの臨床症状を反映し,また治療効果を示す結果が主治医および患者さんに提供されることから,改めて脈波検査が注目されている.
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