Laboratory Practice 〈生理〉
血圧脈波検査
油布 邦夫
1
,
犀川 哲典
1
1大分大学医学部附属病院検査部
pp.460-463
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102445
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はじめに
脈波伝播速度(pulse wave velocity,PWV)は全身の動脈壁の硬さを反映する指標として80年以上前から存在する古典的な検査法である.当初その手技の煩雑さから検査室で簡単に測定できるものではなく,一般的に普及するに至らなかった.
しかし,近年簡易に自動的に測定する機器が開発されてからは爆発的に普及しその存在が広まり,動脈硬化性疾患の患者に応用されるのみならず一般の健康診断や人間ドックの場にさえ登場するようになった.
非観血的・定量的に動脈硬化を評価できるため臨床研究も進み,開発当初わかっていなかった臨床的意義も解明されるに至りつつある.本稿ではこのPWVについての原理・測定法・臨床応用について解説する.
当科では株式会社日本コーリン(当時;現オムロン コーリン株式会社)が2000年に開発したPWVの自動測定器である「form PWV/ABI BP-203RPE II(図1)」を使用しており,これを例に挙げて説明する.
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