とびら
先見性と臨床能力
川村 博文
1
1甲南女子大学
pp.473
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102301
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私は臨床現場にいたときは,患者の一挙一動に一喜一憂し,根拠に基づく理学療法と経験則の習熟に邁進し,学会発表と論文作成を行い,猪突猛進,情熱を持って精進してきた記憶が鮮明に残っています.教育現場に活動の場を移して,最初はリズムが掴めず苦労しました.しかし,講義・実習を通じて学生に逆に癒され,心を鎮静化しつつ順応していきました.その後は学生の日々の悩み,苦しみに共感し,希望,将来の展望などをともに語りながら,理学療法士としての生き様を考える経験を積み重ねてきたように思います.
病院・教育それぞれの現場で患者・学生と向き合うことは,実は人と向き合うことの精進の積み重ねであったことに気づきました.人の方向に顔と心が向くときに何らかの力が働き,突き動かされるものにより経験則の習熟がなされ,私は活かされてきたように感じます.
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