臨床実習サブノート スーパーバイザーの視点・論点―患者さんに触れるまで・1【新連載】
脳血管障害(回復期)
諸橋 勇
1
Isao Morohashi
1
1いわてリハビリテーションセンター
pp.351-358
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101934
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はじめに
脳血管障害を発症し,急性期を経て回復期を迎えた患者は,機能回復や社会への復帰に向けての不安や焦り,期待が混在している状態である.特に多くの場合,急に半身の麻痺や感覚障害が主な症状として出現し,麻痺を伴った身体が自分の身体でない感覚から混乱し,さらに不使用,誤用による障害を来す場合も少なくない.発症前と同じように動こうとしても,半身が重く,意志通りにコントロールできずに寝返りや起き上がることすらできない状態から,徐々に身体のコンディションが整い身体感覚を取り戻し,運動学習を通じて日常生活動作(ADL)を回復することが回復期の主要なプロセスである.こうして心身ともに大きな変化にさらされる患者の状況を理解した上で,理学療法士が脳血管障害患者を評価するまでの準備や,どのように関われば良いのかについて述べていく.
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