講座 福祉ロボット工学・4
歩行機能再建のための歩行支援ロボット
和田 太
1
Futoshi Wada
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
pp.333-340
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101930
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,ロボット技術のめざましい進歩により,様々なリハビリテーション(以下,リハ)関連のロボットの開発が各国で始まり,下肢用のロボットでは,脳卒中や脊髄損傷などでの機能回復の支援や日常生活の場面での移動支援に利用されはじめている.海外では,“Gaittrainer”や“Lokomat”などの商業用モデルが既に発売され,本邦でもHAL(Hybrid Assistive Limb)が福祉用として,医療機関向けにレンタルが開始されている.しかし,これらのリハ支援ロボットを,実際の歩行練習の場面でどのように活用すればよいのか,その他の理学療法との兼ね合いをどのようにすればよいのかなど,ソフト的な面では不明な点が多い.
本稿では,当講座で使用している歩行支援ロボットプロトタイプ(bio-responsive motion system:BRMS)(図1)1)について概説し,臨床現場での経験や基礎研究の成果に基づいて,歩行練習での活用や工夫について解説をする.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.