特集 病期別理学療法モデル
保険制度からみた病期別理学療法の現状と課題
植松 光俊
1
Mitsutoshi Uematsu
1
1星城大学大学院健康支援学研究科
pp.213-222
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101623
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はじめに
1965年に理学療法士が国家資格職として誕生してから,理学療法診療報酬は(その誕生当初だけは遅々としながらも)着実に右肩上がりに高くなっていったが,介護保険導入後の2002年を境として下がり続けてきた.そして,さらに2006年の診療報酬改定では,疾患別リハビリテーション料に体系化されるとともに算定日数上限が設けられ,大きく2つの問題が起こった.1つの問題は,理学療法料がリハビリテーション(以下,リハ)料の名の下に包含され,「理学療法」の名称が診療報酬から消え,理学療法士の専門性すら揺るがしかねない状況が起こっていること,そしてもう1つの問題は,算定日数制限からリハサービス提供を強く望む患者・介護保険利用者に「リハ難民」,「介護難民」問題が起こったことである.
本稿では,理学療法関連保険制度・報酬に影響する要因として,①保険報酬の変遷と問題点,②病期分類とその分類要因・保険制度の捉え方,③適正なサービス提供時期・量,について理解を深めたうえで,各病期と施設・事業ごとにみた現状と課題について解説するとともに,それらの改善方策について提言する.
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