特集 理学療法からみた「予防」の取り組みと効果
理学療法からみた「予防」の取り組みと効果
植松 光俊
1,2
,
大工谷 新一
3
Mitsutoshi Uematsu
1,2
1星城大学
2株式会社リハステージ
3株式会社リビングケア
キーワード:
予防
,
学校保健
,
健康増進
,
地域包括ケアプログラム
Keyword:
予防
,
学校保健
,
健康増進
,
地域包括ケアプログラム
pp.345-352
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200524
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はじめに
理学療法はその性質により,以下のように分けられる.
1.治療的な理学療法
2.リハビリテーション医学の一領域としての理学療法
3.疾病や傷害の発生予防を目的とした理学療法
この3の理学療法においては,健康日本21における視点からみると(図1),
1)一次予防としての学校での健康管理,産業保健,地域における高齢者の転倒や生活機能低下を予防する取り組み
2)二次予防(早期発見・早期治療)としての特定保健指導による生活習慣病の予防の取り組み
3)三次予防としての実際に疾病や傷害により治療や医学的リハビリテーションとしての理学療法を提供した方々に対する再発予防や活動性向上と社会参加の促進というかかわりによる予防の取り組み
という3つの領域が包含されている.
一方,理学療法効果がみられる代表的な問題としては,痛みや筋力低下などの機能障害,メンタルヘルス(更年期や労働者の抑うつ状態,ストレス情動,認知機能低下),体力低下などがある.理学療法では,運動療法や物理療法,装具療法により,これらの諸問題の解決に寄与していることは自明であり,理学療法効果としてこれらが解決することにより,引きこもりが改善するなど,活動や参加の向上も得られる.
本稿では,理学療法における「予防」に関する取り組みの現状と可能性について供覧したうえで,地域包括ケアシステムにおける理学療法モデルの可能性について提示する.
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