書評
―嶋田智明(編集主幹)天満和人・奥村チカ子(編)―「セラピストのための概説リハビリテーション」
小川 恵一
1
1新潟保健医療専門学校理学療法学科
pp.154
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101609
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リハビリテーションという用語がわが国で使われだすようになって50年以上が経過している.これは理念や思想であり,当初から現在に至るまで変わることなく,普遍的である.その一方で,リハビリテーションの理念をもとに,それに関わる各専門職の独自性や専門性は大きく発展し,社会の変化にあわせて実践方法も変化してきている.そこで,これからリハビリテーションに関わるセラピストを目指す学生の学習に,ふさわしい教科書の必要性をあらためて感じている.
理学療法士養成課程で専門分野として早期に学習する科目がリハビリテーション概論である.理学療法士に限らず,作業療法士,言語聴覚士,看護師,社会福祉士などリハビリテーションに関わる専門職養成課程においても同様である.これまでのこの科目の教科書は,初めてリハビリテーションを学ぶ学生にとっては専門用語の量が多く,その内容も濃密なためにポイントをつかむことは難しかった.学習段階を考慮すれば,リハビリテーションを理解する最低限度の知識,すなわちコア(核)とは何か,また,リハビリテーションの全体像とは何かをわかりやすく整理し,教えるべきではないかと考える.
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