特集 連携教育
連携教育の実践と課題―看護学領域から
酒井 郁子
1
Sakai Ikuko
1
1千葉大学大学院看護学研究科
pp.1053-1059
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101541
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はじめに
千葉大学は「つねに,より高きものをめざして」を大学理念とし,「底力宣言,千葉大学」をキャッチフレーズにしている.地味な校風であるが,目立たなくとも社会のためによい仕事をすることに価値を置き,総合大学の利点を活かし学部や専門領域を超えて新しい知の創出に挑戦している1).千葉県内に4つのキャンパスを有しており,その中の1つである亥鼻キャンパスには医学部,看護学部,薬学部の医療系の3学部の大学生,大学院生が学んでいる.同敷地には,医学部附属病院や各種研究施設が併設されている.3学部の学生定員は,医学部が110名,薬学部,看護学部は各80名である.医学部は明治7(1874)年に創設され,1949年に千葉大学医学部となり,今年で135周年を迎える伝統ある学部である.薬学部の創設は1890年であり,国立大学法人の薬学部の中では最大規模の学生を有している.看護学部の創設は1975年で,国立大学法人で唯一の看護学部として,看護学分野では国内で最大規模の大学院を有している.
本稿では,国立大学法人の医療系学部における専門職連携教育(以下,IPE)の取り組みについて,目的,カリキュラム,科目運営の実際を紹介する.その上で看護学からみたIPEとその課題について検討したい.われわれは,千葉大学亥鼻キャンパスの3学部が取り組むIPEを「亥鼻IPE」と呼んでおり,以下,本稿では千葉大学における専門職連携教育の取り組みを「亥鼻IPE」と表現する.
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