特集 連携教育
連携教育の実践と課題―昭和大学における学部連携PBLチュートリアル
高木 康
1
Takagi Yasushi
1
1昭和大学医学部医学教育推進室
pp.1061-1066
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101542
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はじめに
現在の医療は「チーム医療」と総称されるように,患者を中心として,医師,看護師,薬剤師,その他のコ・メディカルスタッフが連携して行っている.すなわち,従来の「医師のみが行う医療」から「医師をリーダーとして多くの医療関連職種のメンバーが協力・連携して患者の苦痛・悩みを解消する医療」に移行している.これは,日進月歩の医療技術に伴って,より専門性の高い知識と技能が必要となり,またそれらの専門性の高い知識と技能をもった医療関連職種が育成されているためでもある.従来はパラ・メディカルスタッフと呼ばれていた医療スタッフが,コ・メディカルスタッフ(一緒に医療を支える)と呼ばれるようになったのもこの概念からである.このような多職種間連携については,特に地域医療・在宅医療において重要性が叫ばれており1),卒前教育でのいくつかの試みも報告2,3)されている.
昭和大学(以下,本学)には,医学部,歯学部,薬学部,保健医療学部(看護学科,理学療法学科,作業療法学科)の4学部があり,将来メディカルスタッフとして医療を担う学生の教育・育成を行っている.その教育課程の中で,これら4学部の学生が将来構築するであろう「医療チーム」の模擬チームを結成し,患者中心の医療の担い手としてそれぞれの役割を考える1つの手段として,問題解決型学習(problem based learning:以下,PBL)チュートリアルを実施している.本稿では,その実際を紹介し,取り組みの効果と問題点について解説する.
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