特集 連携教育
連携教育の実践と課題―理学療法学領域から
原 和彦
1
Hara Kazuhiko
1
1埼玉県立大学保健医療福祉学部理学療法学科
pp.1043-1051
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101540
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,保健医療福祉の多くの現場では「複数の専門職が同じ場所で,ともに連携しながら支援する専門職連携実践(inter-professional working:以下,IPW)」が欠かせないものとなっている.しかし,連携協働の必要性が現場で求められている一方,専門職の基礎教育の現場では,異なる教育コースに在籍する学生が,同じ場所でともにIPWを学び合うといった専門職連携教育(inter-professional education:以下,IPE)を行うには,教育環境の整備など多くの課題がある.
埼玉県立大学(以下,本学)では2006年から「連携と統合科目」を全学カリキュラムで必修化し,全学科合同演習を配置した.本学における教育改革の取り組みは,2005年に「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP;good practice)」に採択され,先進的な教育研究事業として注目を集めた1).しかし,IPEは新しい教育手法であるために,その内容も方法も体系化されていなかった.本稿では,英国のIPEの取り組みを参考にしつつ科目を具体化した,本学における取り組みについて紹介する.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.