書評
―丸山仁司(編著)―「PT,OTなら知っておきたいからだのこと」
黒川 幸雄
1
1埼玉医科大学保健医療学部理学療法学科
pp.802
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101259
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本書の特徴は,第一に理学療法業務の中核にあたる部分の知識を改めて確認し,そこにすべての紙数を費やした点である.では理学療法業務の中核とは何か,それは運動(動作含む)である.運動を評価し,運動の問題点を抽出し,課題解決型で治療・指導にあたり,その時に主に運動を治療手段とする,すなわち運動療法を手段とすることである.
人間の運動を司る器官は,筋肉,骨,腱,関節,運動を調節する感覚器,筋肉に運動のエネルギーを送るエネルギー源,酸素・栄養・代謝などに関わる呼吸器・循環器などである.もちろん,運動を考える場合に神経系の働きを除外するわけにはゆかないのであるが,ここでは敢えて「効果器官」に焦点をあてて知識の整理に徹していることがユニークである.すなわち,理学療法にとっての中核以外をできる限り削ぎ落し,非常にコンパクトにして提示し,主要な必要条件に限定し,解りやすくしている.
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