特集 褥瘡の予防と治療―理学療法の役割
褥瘡に対する物理療法と運動療法
日髙 正巳
1
Hidaka Masami
1
1兵庫医療大学リハビリテーション学部
pp.733-738
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101247
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はじめに
褥瘡は,外力(圧力・せん断力)が持続的に加わることで組織が虚血状態に陥って発生し,一旦形成されると褥瘡治療が優先されるため,活動性の向上を図るうえで大きな阻害要因となる1).褥瘡は,生活機能向上を目的とした理学療法においては,プログラムの進行を遅延させる阻害要因として捉えられることが多いが,治療医学としての理学療法においては治療対象として捉える必要がある.すなわち,褥瘡を阻害要因としてのみ捉えるのか,治療対象として捉え,積極的に関わっていくのかによって,その取り組みに大きな差が生じる.既に,海外では理学療法士が褥瘡の予防ならびに治療に関わり,種々のエビデンスを示すに至っており2,3),本邦においても,理学療法としての積極的な介入が期待されるところである.理学療法士が褥瘡対策委員会の一員としてのみではなく,理学療法介入として褥瘡予防ならびに治療に関わる枠組みを図1に示す.本稿では,褥瘡に対する理学療法介入の実際と,認定理学療法士の養成課程の私案を示す.
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