特集 認知運動療法の臨床アプローチと効果
症例報告:両下肢切断患者が抱える幻肢痛に対する認知運動療法
小林 弘基
1
,
大原 裕子
1
,
久保 卓文
1
,
坂井 由香
1
,
山崎 優希
2
Kobayashi Hiroki
1
1寺岡整形外科病院リハビリテーション科
2グリーンハウス宏喜苑リハビリテーション科
pp.285-289
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101147
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
外傷や糖尿病による末梢循環障害など,様々な原因によって切断術を受けた患者において,幻肢・幻肢痛が発生することがある.これらの症状はいずれも切断術後の身体が存在していない部位に出現するため,原因の特定が難しく,治療アプローチについても明確な解答が得られていないのが現状である.
本稿では,2003年に右大腿切断術,2005年に左下腿切断術を施行され,数年が経過してもなお両側ともに幻肢痛を抱えている患者に対して,脳科学を中心とした知見から病態を解釈し,治療アプローチ(認知運動療法)を行った経過を報告する.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.