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内容のポイント Q&A
Q1 リハビリテーションの概略は?
近年,心臓・腎臓の重複障害患者に対する回復期・生活期の心臓リハビリテーション(以下,心臓リハ)の効果が明らかになってきた.心臓リハの中でも主要なプログラムである運動療法は,主に有酸素運動とレジスタンストレーニングで構成され,身体機能やサルコペニア,リスク因子等の評価に基づき,頻度・強度・時間・タイプ等をオーダーメイドで設定する.
Q2 障害の合併により生じる注意点は?
心臓・腎臓の重複障害が起こると,臓器間の血行動態の悪化のみならず,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系,交感神経系,炎症,酸化ストレス等がクロストーク因子となり,互いの機能障害が助長される.そして,このような病態は,結果として生命予後の悪化や疾病の再増悪,悪液質,サルコペニアの発生等につながりやすい.
Q3 フォローすべき症状や検査は?
病態管理として,体重,尿量,自覚症状,心拍数,血圧,ならびに血液生化学データ等の変化は随時モニタリングする.腎機能検査に関しては,血清クレアチニン値が骨格筋量の影響を受けやすいことを考慮し,3カ月に1度のペースで血清シスタチンCを用いた評価の実施を推奨する.また,回復期は身体機能が変化しやすく,1~3カ月に1度のペースで心肺運動負荷試験,筋力測定ならびにサルコペニア評価を行うことが望ましい.
Q4 リハビリテーションの効果(ADL,QOL,生命予後)は?
心臓・腎臓の重複障害患者に対する心臓リハは,運動耐容能,筋力,歩行速度,ならびに生命予後を改善することが報告されている.また,近年では,運動療法を中心とした心臓リハや日常生活上の身体活動管理が,心疾患患者の腎機能の保護にも好影響をもたらす可能性が示されてきている.これらのことから,心臓リハが心臓・腎臓の重複障害に対する重要な治療手段となることに期待が高まっている.
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