特集 脳性麻痺児の理学療法
脳性麻痺児の座位姿勢の評価とアプローチ
岩﨑 洋
1
Iwasaki You
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター病院
pp.557-566
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100984
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はじめに
脳性麻痺児に限らず,ほとんどの障害者は日常生活において座位姿勢を長時間保持している.また,理学療法においても座位姿勢は基本的な姿勢であり,生活でも重要な姿勢であるといえる.つまり,座位姿勢は日常生活における安静の姿勢だけでなく,食事・入浴・排泄・休息の「人間生理動作」,学習・就労・創作といった「作業」,乗り物(車いす,自動車,飛行機など)を利用する場合の「移動」,娯楽(映画,音楽,テレビ鑑賞)・家族団らんといった「リラクゼーション」などの目的を遂行するための姿勢でもある.脳性麻痺児の日常生活においても,座位姿勢は目的遂行の重要な手段の1つとなる.
本稿は2つの観点から構成する.まず座位姿勢の評価法について概説し,次に座位姿勢への主要なアプローチである座位保持装置を処方する際の原則と問題に対する対応法,そして原則に基づいて装置を作製した症例を報告する.
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