短報
徒手筋力テストにおける段階づけ
吉村 茂和
1
,
相馬 正之
1
,
山本 真秀
1
,
長谷場 純仁
1
,
鮫島 菜穂子
1
,
斉藤 琴子
1
Yoshimura Shigekazu
1
1東京都リハビリテーション病院理学療法科
pp.347-349
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100957
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筋力の評価は,患者の機能障害(impairment)を把握することができると同時に活動の制約(activity limitation)も推測でき,理学療法や医学的リハビリテーションなどで重要な評価の一つである.筋力の評価には種々の方法がある1)が,その中でも徒手筋力テストは,器具を使用せず臨床の場ですばやく実施できるなど実用的で有用な方法である.
Danielsらの新・徒手筋力検査法(manual muscle testing,以下MMT)では,3+以上の段階づけ(以下,測定尺度)が3+,4,5の3段階となった2).しかし,この3種類の段階のみでは筋力強弱の判別感度が低く,患者の経過観察中に筋力増加または弱化が表面化しても異なる段階へと移行することが困難となっている.しかも,MMTの3+以上の測定尺度の判定では,検査者の性別,体格,年齢などにより与える徒手抵抗の強さが影響を受け,さらに被験者の性別,体格,年齢などを考慮して測定尺度が判定されるために,主観的な要素を含み曖昧となっている3).MMTを臨床で使用するためには,より細分化して判別感度を高くし,より客観的な測定尺度が求められている.
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