短報
立位における真の股関節自動屈曲と影響因子に関する検討
吉尾 雅春
1
,
村上 弦
2
,
乗安 整而
1
Yoshio Masaharu
1
1札幌医科大学保健医療学部
2札幌医科大学医学部解剖学第二講座
pp.351-353
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100958
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立位における骨盤は上前腸骨棘と恥骨結節が同じ前頭面上に位置する1)関係にあり,骨盤傾斜角の基準になっている.体幹と平行な線と大腿骨とのなす角が90度になるように姿勢を正した座位では,骨盤は立位よりも20~30度後傾した状態になる.安楽座位ではさらに後傾する.股関節自動屈曲を担う腸腰筋や大腿直筋などの作用は骨盤の傾斜によって異なるものと考えられる2).特に「第3のてこ」3)である股関節における腸腰筋の作用は,大腿骨に対する骨盤の傾斜によって影響をうけやすいものと考えられる.しかし,最新のDanielsらの徒手筋力検査法(第7版)4)でもその配慮は示されていない.
そこで,股関節屈曲に伴い常に重力の影響を受け,また,基準となる骨盤傾斜角を特定しやすい立位において,骨盤を固定した場合の真の股関節屈曲角度を求め,それに与える影響因子について検討した.
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