Japanese
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シンポジウム 癌性疼痛に対する各種治療法の適応と限界
転移性脊椎腫瘍に対する後方固定術の除痛効果
Evaluation of Posterior Spinal Instrumentation for Pain Releif of Matastatic Spine Tumor
小川 潤
1
,
高畑 武司
1
,
藤村 祥一
1
,
戸山 芳昭
1
,
小柳 貴裕
1
,
松本 守雄
1
,
丸岩 博文
1
,
平林 洌
2
Jun Ogawa
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
2慶應義塾看護短期大学
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
脊椎インスツルメンテーション
,
spinal instrumentation
,
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spine tumor
,
ルーケ法
,
Luque instrumentation
Keyword:
脊椎インスツルメンテーション
,
spinal instrumentation
,
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spine tumor
,
ルーケ法
,
Luque instrumentation
pp.293-297
発行日 1993年3月25日
Published Date 1993/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901073
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抄録:1982年以降,転移性脊椎腫瘍手術例のうちspinal instrumentationを用い後方固定術を行った61例に対し,除痛の観点から脊椎後方固定術の有用性とその限界について検討した.手術法は,後方除圧術とLuque SSIを原則とし,可能な限り化学療法や放射線療法を加えた.後方固定術のみを行った51例(以下P群)と,さらに前方固定術を併用した10例(以下AP群)とで,除痛効果および除痛効果の持続性について比較した,除痛効果は両群で明らかな差はなく,除痛効果の面からは前方固定術併用が必ずしも有利とは言えなかった.また除圧固定術による除痛無効5例の存在は,神経組織の圧迫や脊柱の不安定性以外にも癌性疼痛の素因となるものがあることを示唆した.除痛効果の持続性の面からは,予後1年未満のものでは両群に差がなかったが,予後1年以上のものではP群で集学的治療を併用したものやAP群が優れていた.
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