Japanese
English
シンポジウム 癌性疼痛に対する各種治療法の適応と限界
転移性脊椎腫瘍に対する手術療法の除痛効果―痛みと治療による除痛効果の評価について
Pain Relief through Surgical Treatment for Spinal Metastases: Evaluation of Pain and Pain Relief
長島 太郎
1
,
大島 義彦
1
,
太田 吉雄
1
,
佐藤 浩
1
,
林 雅弘
1
,
横田 実
1
,
平本 典利
1
,
森 倫夫
1
,
伊藤 友一
1
,
尾鷲 和也
1
,
武井 寛
1
Taro Nagashima
1
1山形大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgrery, Yamagata University School of Medicine
キーワード:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
手術療法
,
surgical treatment
,
痛みの評価基準
,
evaluation of pain
,
除痛率
,
rate of pain relief
,
除痛持続効果
,
duration of pain relief in survived period
Keyword:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
手術療法
,
surgical treatment
,
痛みの評価基準
,
evaluation of pain
,
除痛率
,
rate of pain relief
,
除痛持続効果
,
duration of pain relief in survived period
pp.285-291
発行日 1993年3月25日
Published Date 1993/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901072
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抄録:転移性脊椎腫瘍という,時間の経過と共に増悪しやがて死を迎える疾患において,痛みは限られた余命を有意義に過こす上での最大の障害である.筆者らは,この痛みの原因は腫瘍の浸潤による脊椎の不安定性であると考え,筆者らの考案したGrooved rodを用いて強固なsegmental sublaminar wiringを行い,好成績を収めてきた.そこでその除痛成績を検討するために,以下の評価法を設定した.
①まず痛みの程度を,痛みを抑えるのに要した鎮痛剤の種類,量,神経ブロックの併用の有無により(-),(+),(2+),(3+)の4段階に分けた。またこれとは別に,痛みを反映するADLの一つである歩行能力で評価した.②有効な除痛とは,治療により痛みが改善し有意義な日常生活を送れることだと考え,少なくとも非麻薬性鎮痛剤で抑えられる程度以上に痛みが改善したもの,すなわち治療後痛みが(-)ないし(+)となったものを除痛効果が‘有効’として評価した.③除痛効果が治療後一時的ではなく,その後の生存期間中長く持続することが大切だと考え,治療後除痛効果が‘有効’であった期間が治療後生存期間に占める割合を“除痛持続効果”として評価した.
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