特集 4年制大学における理学療法教育
4年制大学における理学療法臨床実習の課題と展望
篠原 英記
1
Shinohara Hideki
1
1神戸大学医学部保健学科
pp.107-113
発行日 1997年2月15日
Published Date 1997/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104716
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1.はじめに
1963年,我が国で初めて理学療法士養成教育が開始されて以来今日まで,臨床実習は理学療法士養成教育に欠かせない重要な科目として位置づけられてきた1).この位置づけは今後も揺らぐものではないが,指定規則や各養成校のカリキュラムは時代の変化に応じて異なり,臨床実習についても,その目的・場所・期間・方法などが異なることもまた当然の成り行きである.近年の我が国の社会構造および疾病構造の変化や科学技術の急速な進展が保健・医療・福祉の分野にも様々な変化をもたらしてきたように,それに呼応して理学療法士養成教育にも,新しい保健・医療・福祉を修めた,人間性豊かな理学療法士の養成が望まれるようになってきている.理学療法士養成教育の4年制大学化はこの1つの方向性といえる.
設立されたそれぞれの大学は設立趣旨や特徴に応じて,また厚生省の定める指定規則を順守しつつ,独自のカリキュラムを作成し,理学療法士養成教育に取り組んでいる.臨床実習教育の目標もそれぞれの大学の特徴によって変化することが予想され,それに応じて臨床実習場面での工夫が必要となってくる.そこで,大学としての臨床実習はどうあるべきかを,将来の理学療法士養成臨床実習教育への期待を込めて述べてみたい.
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