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特集 第21回日本脳神経外科学会
特別講演
除痛手術の評価
EVALUATION OF OPERATIONS FOR RELIEF OF PAIN
James C. White
1,2
,
喜多村 孝一
3
1マサチューセッツ総合病院脳神経外科
2ハーバード大学医学部外科
3東京大学医学部脳神経外科
1the Neurological Service, Massachusetts General Hospital
2Dept. of Surgery, Harvard Medical School
pp.197-212
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201426
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I.緒言
持続性の激痛にたいする神経外科手術は前世紀の終りごろから始つた。そこで70歳に手のとどく私のような神経外科医は,この分野では歴史の半分以上の期間努力をかさねてきたことになる。この講演で検討しようとする除痛手術は,いずれも永い間行なわれてきたもので遠隔成績を云々するにふさわしいものである。retrogasserian rhizo—tomy, posterior spinal rhizotomy, anterola—teral cordotomyおよびvisceral painに対するsympathectomyなどは,わが国のFrazier, Labbè, Spiller, Martinや,RomaniaのJon—nesco,フランスのLericheらによって,本世紀のはじめの25年間に育てられたものである。
ところで奇妙なことに,これらの手術に関するほとんどの記載は,いずれも遠隔成績についてはふれていないのである。硬膜内で,Schwann鞘を欠く感覚神経線維が損傷された場合には,再生は不能と考えられているが,おもしろいことに,実際は機能を回復し得るのである。悪性疾患でない場合,すなわち余生がそれほど短くない患者にとつて悩みのたねとなる除痛手術後の疼痛再発の問題は,1955年以来ずつと私とSweetの関心をかきたててきた。
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