ひろば
ハワイのデイケアセンターにおけるボランティア体験
関根 弘和
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科
pp.1044
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100618
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- 文献概要
本邦におけるデイケアは,施設基準として理学療法士などの配置が定められており,近年では個別リハビリテーションが加算の対象になるなど,デイケアにおけるリハが充実してきている.一方,アメリカのデイケアでは,リハビリテーション(以下,リハ)やセラピストのかかわりが本邦とは異なっており,デイケアのサービス内容や位置付けなどの知見を深めることを目的として,2004年2月~4月の3か月間,アメリカ・ハワイ州ケアラケクア市のコナ・アダルトデイケアセンター(以下,センター)において,ボランティアとして体験する機会を得た.
このセンターでは1日平均10~15名程度の介護を必要とする高齢者を6名の専属スタッフとボランティアがケアしている.ボランティアの年齢層は幅広く,高齢者から子供まで自由に参加している.専属スタッフの中にセラピストはいないため,センターではセラピストによるリハを受けることはできないが,センターの利用者のほとんどはセラピストによるリハを自宅で受けている.これらホームケアに携わるセラピストとデイケアセンターとの間では,円滑な連携・協力体制が確立されている.またこの地域ではデイケアやホームケアが高齢者ケアの中心となっている.その理由は,安価で利用できる入所施設が少ないことだけではなく,本人および家族からの在宅生活を主としたケアのニーズが高いことにある.なお,専属スタッフやボランティアはtuberculosis test(ツベルクリン反応によるヒト結核菌テスト)を受けることが義務付けられており,病院もしくは保健所でテストを受けて証明書を提出しなければならない.
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