報告
健常者の等尺性膝伸展筋力
平澤 有里
1
,
長谷川 輝美
2
,
松下 和彦
3
,
山﨑 裕司
4
Hirasawa Yuri
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
2聖マリアンナ医科大学東横病院リハビリテーション部
3聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
4高知リハビリテーション学院理学療法学科
pp.330-333
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100469
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膝伸展筋力は下肢支持性を反映する筋力指標であり,高齢者や片麻痺患者,大腿骨頸部骨折患者の移動能力の重要な規定要因として知られている1~13).よって,本邦における膝伸展筋力の標準値を示すことは,筋力低下の重症度を判断するうえで有益である.
膝伸展筋力の標準値については,等速性筋力測定装置を使用した数多くのデータが報告されている14~17).しかし,これらの測定装置は極めて高価であり,測定には煩雑な機器操作を必要とする.また,測定機器は重く,携帯して活用することは不可能である.以上の点から,標準値が提供されても,それを現場に広く普及させられないという限界を有している.一方,hand held dynamometer(以下,HHD)は,価格性や簡便性,携帯性などの点で優れ,臨床で活用されている.しかし,被験者の筋力が強い場合や,検者の固定力が弱い場合において,再現性や妥当性に問題があることが指摘されており18~22),標準値を異なる検者間で共有するには問題が多い.われわれはこれらの点を考慮して,HHDに固定用ベルトを装着した等尺性膝伸展筋力測定方法を考案し,その良好な再現性と妥当性を報告してきた18,19,23,24).
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