報告
昇段能力と膝伸展筋力の関係
青木 詩子
1
,
山﨑 裕司
4
,
横山 仁志
1
,
大森 圭貢
2
,
笠原 美千代
1
,
平木 幸治
3
Aoki Utako
1
1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
3聖マリアンナ医科大学東横病院リハビリテーション部
4高知リハビリテーション学院理学療法学科
pp.907-910
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105948
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はじめに
段差昇降は加齢や活動量の低下による下肢筋力低下によって障害されやすい活動であり,下肢筋力と密接な関連のあることが報告されている1,2).また,沢井ら3)は高齢者が社会活動に積極的に参加できるだけの下肢筋機能の指標として階段や昇段能力を挙げている.諸外国で行われている人口調査1,4-7)でも,高齢者の動作能力を把握するための指標として昇段能力を用いているものが多い.しかし,いずれの先行研究においても,昇段に必要な下肢筋力水準について具体的な数値を提示したものはない.
筆者らは,これまで運動器疾患のない高齢者を対象に,歩行自立に必要な下肢筋力について検討し8),これらを把握することが高齢者の筋力強化の必要性を明らかにしたり,動作障害の原因を分析したりするうえで必要なことを述べてきた9).本研究では,このような観点から昇段能力と膝伸展筋力の関連について検討したので報告する.
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