文献抄録
肩関節内旋可動域測定 ―3つの技術の比較―
壇 順司
1
1西日本リハビリテーション学院
pp.75
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100413
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肩関節内旋の可動域は関節包や腱板の損傷により障害されやすく,内旋測定は,上肢を使用するアスリートにとって重要な検査である.内旋測定は,肩甲胸郭関節の動きを伴った方法が一般的であり,肩甲上腕関節のみでのバラツキの標準化や信頼ある測定方法はない.そこで本研究の目的として肩甲上腕関節の内旋角の測定法を確立するために3つの方法で可動域測定を行い比較検討した.
被験者は13~18歳の健常アスリート56名(男性32名,女性24名)とした.肢位は,肩関節90°外転位での背臥位で以下の3方法にて測定した.①一般的に用いられる第2内旋での標準的な方法(NSS:the scapula is nonstabilized),②烏口突起と鎖骨を上から押さえることで肩甲骨の動きを固定し測定する肩甲骨固定法(SS:the manual scapular stabilization),③視覚的に肩甲骨がベッドより上がり始めるところで測定する方法(VI:the visual inspection),測定器具は,骨アライメントと視覚による誤差を避けるためにデジタル伏角計を使用した.またSSにおいては肩甲骨を固定する検者と測定する検者の2人によって測定され,VIでは1人の検者によって測定された.
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