特集 精神障害者の理学療法
精神障害に身体障害などを合併した患者への理学療法アプローチ
大月 満里
1
,
小林 量作
2
,
高橋 智子
3
Ootsuki Mari
1
1聖峰会佐藤病院リハビリテーション科
2新潟医療福祉大学理学療法学科
3聖峰会佐藤病院精神科
pp.961-969
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100200
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はじめに
日常の行動を起こすにあたっては,何かをしようとする「意志」が存在し1),その「意志」を遂行するための身体機能が必要となる.精神に障害があると意欲や自発性の低下,自分をとりまく環境を適切に把握できず,「意志」を発現することが困難となる.身体に障害があると「意志」を遂行するための運動機能が障害される.そのため身体障害だけでなく精神障害を重複した場合,理学療法士も精神障害に専門的に関わっていく必要がある.しかし,精神障害を合併していない場合と比べて,接し方が難しく,注意力や自発性などに問題があるため,日常生活での改善に結びつかないことも多い.
本稿では精神障害に身体障害を合併した患者に理学療法士が関わる場合,どのような点に留意して疾患・障害を捉えればよいのか,経験に基づいて述べる.
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