Japanese
English
特集 治療抵抗性の精神障害とその対応
遷延化した気分障害に対する精神療法的アプローチ
Psychotherapeutic Approach to Prolonged Mood Disorders
鈴木 幹夫
1
,
広瀬 徹也
2
Mikio SUZUKI
1
,
Tetsuya HIROSE
2
1神経研究所附属晴和病院
2帝京大学医学部精神神経科
1Seiwa Hospital, Neuropsychiatric Research Institute
2Department of Psychiatry, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
Prolonged mood disorders
,
Causing factors
,
Psychotherapeutic intervention
Keyword:
Prolonged mood disorders
,
Causing factors
,
Psychotherapeutic intervention
pp.601-606
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904785
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はじめに
気分障害の軽症化や遷延化が話題になってからすでに久しい。一般に予後がよいとされるうつ病の患者に,抗うつ薬と十分な休養,環境調整を含む支持的なかかわりを尽くし,順調に回復していた矢先に,そのペースが鈍り,霧の中を抜けきれないかのように停滞してしまう人々がいる。臨床家ならだれでもそのような臨床的な「事態」に気づいていよう。近年の軽症うつ病の多発は,内因性という従来の考え方では理解困難で,個人の社会的条件の変化に対する不適応とみるべき者も多い。従来のように数か月で寛解する患者は少なく,かなりの期間服薬と通院を必要とするのが今日の平均的うつ病だ,とする意見もある16)。しかし,遷延うつ病の病相予後は良好とはいえないが,長期予後は良いものもあることを忘れてはならない6)。
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