クリニカル・ヒント
脳卒中に対する短下肢装具―特に金属支柱付き短下肢装具について
浅山 修
1
1松山リハビリテーション病院理学療法科
pp.644-646
発行日 1995年9月15日
Published Date 1995/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104380
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1.はじめに
義肢装具士の誕生は,医学的リハビリテーションの質の向上に大きく貢献する喜ばしい事実である.しかし反面,「義肢装具に関することは義肢装具士に任せれば良い」といった安易な考えが生まれ,理学療法士の義肢装具に関する理解が低下していないだろうか.
近年,早期リハビリテーションの普及により,脳卒中に対する初回装具処方をリハビリテーション専門病院で行うことはほとんどなくなった.しかし,所持してきた装具に疑問を抱かざるを得ないケースも増加しているのが現状である.
脳卒中に処方される装具のほとんどが短下肢装具(AFO;ankle-foot orthosis)であり,さらにその大半がプラスティック製である.プラスティックAFOは各種デザインの氾濫により,選択に混乱をきたしているのが現状であるが,高度の内反尖足に対しては,依然として両側金属支柱付きのAFO(以下SLB)が真価を発揮する領域である.
今回は,脳卒中に対するAFOのなかでも,現在主流となっているプラスティックAFOの原点ともいうべきSLBについて,筆者が臨床を通じて得たものを記し,SLBについて再考してみたい.
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