The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 17, Issue 2
(February 1983)
Japanese
English
特集 脳卒中
脳卒中のための下肢装具
Lower Extremity Orthotics for the Stroke Patient
山下 隆昭
1
,
神沢 信行
1
,
森本 栄
1
,
浅田 進
1
,
村田 秀雄
2
,
浅田 剛
3
Takaaki YAMASHITA
1
,
Nobuyuki KAMIZAWA
1
,
Sakae MORIMOTO
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
2都志見病院
3沢村義肢製作所
1Hyogo Rehabilitation Center.
pp.69-76
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102789
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Ⅰ.はじめに
脳卒中のリハビリテーションにおいて装具療法が大きな位置を占めることについては衆目の認めるところである.
従来,装具については金属材料が支柱の主体であったため,重くて硬いなどのマイナス・イメージが強かった.ところが,最近のプラスチック素材の導入により,処方の際の選択幅が広がり,装具の分野にも大きな変化が生じている.
患者と装具の適合(patient orthosis matching)を考える場合,できる限り障害程度と装具機能の合った組合せを追求しなければならない(図1).患者に対しては,能力を最大限にひき出すため,あらゆる治療訓練の手段を試みる.適応があれば手術も積極的に考慮すべきである.装具に対しては,常に求められる要素として,軽い,装着感がよい,耐久性がある,外観がよい,装着しやすいなどの条件を可能な限り満すべく,素材の開発,導入,形状(構造)の工夫などが求められる.また,この二つをうまく適合させるためには,家族指導や住宅改造など環境面からのアプローチも忘れてはならない.
本稿では,これらの点を考慮しながら当院における片麻痺に対する装具処方の実際について述べてみたい.
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