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いざボストンへ
2004年6月17日成田空港出発ロビー,フライト時間にはまだかなり余裕を残して今回のツアーメンバーは揃っていた.総勢5名,目的地はアメリカボストン.ところでこの日,それぞれ海外旅行となればおきまりのおおげざなスーツケースをころがして待ち合わせ場所に現れたわけだが,その中に一人ジーンズにウインドブレーカー,まあ,ここまではいいが,ビニール製のザックを肩にかけた者がいる.「おいおいH君,スーツケースは?」の問いに,「持ってません」とのこと.「これから1週間ボストンで学会出張なんだけどなあ,わかっているのかなあ」と一同あっけにとられつつ,これも彼のスタイルとしていざ出陣.
めげずにボストンへ
成田を出発し長いフライト,ニューヨーク経由でボストンを目指した.格安チケットねらいで取った某Cチネンタルエアー,サービスはいまいちかなあ,映画もいまいちかなあ,でもあとはビール飲んで寝ちゃえばいいか,と思いきやアルコール類は1缶5ドル,「えー」と叫びそうになりつつ,格安だしなあ,とひたすら瞑想すること10時間,機内画面地図にニューヨークが見え始めた.ニューヨークは9.11以来なにか暗いイメージがつきまとう街になってしまったが,僕らの年代にはあこがれの地なんだよな,とひとり感慨に浸っていた.ところがニューヨーク手前で搭乗機は大きく旋回し始め,終いには予定外のクリーブランド空港にいったん着陸.給油した後4時間近く遅れてニューアーク空港へ到着.思考回路は既にエコノミー症候群を示し,この非常事態を理解するのにしばし時間を要した.この日ニューヨーク付近はすさまじい大雨で,着陸許可がおりなかったとか.「まじかよ,ボストンは遠いなあ,メイ・フラワー号の大西洋経由は正解だったよなぁ」という高尚なジョークも疲労困憊のツアーメンバーにはまったくウケず.結局この日はニューアークのモーテルにて宅配ピザをかじりつつ就寝.翌日の昼やっとの思いでボストンに到着.「学問の道は厳しいんだ」とは某Y教授のありがたいお言葉である.
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