Japanese
English
研究と報告
片麻痺患者の肩関節亜脱臼
Shoulder Subluxation in the Hemiplegics.
野田 幸男
1
,
千野 直一
1
Yukio Noda
1
,
Naoichi Chino
1
1慶応義塾大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine.
キーワード:
片麻痺
,
片関節亜脱臼
,
X線学的評価
Keyword:
片麻痺
,
片関節亜脱臼
,
X線学的評価
pp.775-778
発行日 1985年10月10日
Published Date 1985/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105464
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はじめに
肩関節は上肢の中でも最も近位部に位置し,手で道具を扱うヒトにとって腕を固定・保持するという重要な役割を担っている.その肩関節に疼痛を訴える片麻痺患者は多く,日常診療でもしばしば問題となる.その病態は多岐に渡り肩関節の亜脱臼,肩関節周囲炎,肩甲上腕関節包炎,肩手症候群等が挙げられているが7),臨床上最もしばしば認められるものに肩関節亜脱臼がある.この片麻痺に伴う肩関節亜脱臼の報告は多いが,評価法に関するものはほとんどなく,それ故に発症頻度や治療効果について意見の統一がなされていないのが現状と言える.
本稿では,片麻痺患者に伴う肩関節亜脱臼にたいしX線学的評価を行い,健側と患側の肩峰骨頭間距離(Acromio-Humeral Interval:以後AHIと略す)を測定することにより亜脱臼の診断を試みた.さらに,亜脱臼と麻痺との関係や原因についても検討を行った.
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