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自己免疫性溶血性貧血の自己抗原
亀崎 豊実
1
,
梶井 英治
2
1自治医科大学法医学・人類遺伝学
2自治医科大学地域医療学
pp.1495-1500
発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906645
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はじめに
自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolyticanemia;AIHA)は,自己赤血球に反応する抗体を産生し,溶血を引き起こすことによって生じる貧血の総称である.その本態は,免疫寛容の破綻に由来する抗赤血球抗体の産生であり,抗体産生にかかわる赤血球膜自己抗原の同定は,AIHAの診断,病型分類に重要であるばかりでなく,AIHA患者への輸血液選定における判断基準を明らかにし,病態特異的治療の開発への重要な鍵といえる.
本稿では,近年明らかになってきているAIHAにおける自己抗原,すなわち自己抗体の認識抗原と自己反応性T細胞の認識する抗原エピトープについて,その概要を紹介したい.
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