病気のはなし
自己免疫性溶血性貧血
小峰 光博
1
1昭和大学藤が丘病院血液内科
pp.404-412
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900593
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サマリー
自己免疫性溶血性貧血は,自己赤血球膜上の抗原に対して生じた自己抗体によって赤血球が傷害されて起こる一群の溶血性貧血である.赤血球のみが持つ特有の抗原に対する抗体が原因となるので,異常は赤血球に限ってみられ,他の細胞や臓器系に障害は及ばない.したがって,自己免疫疾患の中でも臓器特異性の最も顕著な病型として理解されている.本症の診断は決して難しくなく,また患者の臨床管理には臨床検査の占める役割が極めて大きい.ここでは,自己免疫性溶血性貧血の病態発生,臨床像,診断,治療,予後などについて概説した.
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