病気のはなし
自己免疫性溶血性貧血
亀崎 豊実
1
,
梶井 英治
1
1自治医科大学地域医療学センター地域医療学部門
pp.6-11
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101959
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サマリー
自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia,AIHA)は稀な病態であるが,臨床症状と検査所見による溶血性貧血を想定し,自己赤血球に対する自己抗体を証明できれば診断は可能である.自己抗体の性状により病型診断を行い,各病型に応じて治療を行う.頻度の高い温式AIHAでは,ステロイド薬により80~90%の症例でコントロールは可能である.AIHAの数パーセントに直接抗グロブリン試験(direct antiglobulin test,DAT)陰性AIHAが存在しており,ステロイドへの反応性はDAT陽性AIHAと同程度であることから,DAT陰性溶血性貧血においては,赤血球結合IgG定量などの検査を行い,積極的な診断が望ましい.
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