増刊号 臨床血液検査
II.止血機能検査
2.検査の実際と症例の解釈
2)凝固検査
B.症例呈示
(1)血友病とvon Wille-brand病
西野 正人
1
,
吉岡 章
1
1奈良県立医科大学小児科
pp.259-264
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906529
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血友病
血友病は伴性劣性遺伝形式をとる先天性出血性疾患で,内因性血液凝固因子の量的・質的異常に起因するが,第VIII因子(F. VIII)の異常によるものを血友病A,第IX因子(F. IX)の異常によるものを血友病Bと分類されている.その頻度は先天性凝固障害症の中で最も多く,日本人男性10万人当たり約7人存在し,そのうち血友病Aが4/5を占めている1).
近年,遺伝子工学の進歩により血友病におけるこれら凝固因子の蛋白構造異常や遺伝子構造異常が検索され,しだいに本症の病態が明らかにされつつある.
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