検査法の基礎
抗カルジオリピン抗体の測定法
長野 百合子
1
,
吉野谷 定美
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.203-207
発行日 1994年3月1日
Published Date 1994/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901826
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サマリー
血栓症,習慣性流産,血小板減少症などの臨床症状に関係すると考えられている抗カルジオリピン抗体は,抗リン脂質抗体症候群(anti phospholipid syndrome;APS)の診断に欠かせない検査となっている1).
標準法では,ウシ心臓カルジオリピンをマイクロプレートに固相し,ウシ血清加PBSか仔ウシ血清加PBSを二重に被覆したプレートを固相抗原とし.患者血清を加えて抗原抗体反応を行う.この標準測定法は施設問での測定値の再現性に問題があったことから抗カルジオリピン-β2GPI(β2-glycoproteinl)複合体抗体測定法が考案された2).
このように現状では,ウシのβ2GPIが反応に必要量含まれているとする3)標準化抗カルジオリピンテストがあり,第2に抗カルジオリピンβ2GPI複合体抗体の測定法があり,第3に当施設で行った方法のようにβ2GPIの影響を少なくした測定法が存在するこの三者の測定法を概説した.
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