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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990
II 新しい検査法と診断法
全身性エリテマトーデスにおける抗カルジオリピン抗体測定の意義
Significance of anticardiolipin antibody in systemic lupus erythematosus
片山 一朗
1
Ichiro KATAYAMA
1
1北里大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kitasato University School of Medicine
キーワード:
SLE
,
抗カルジオリピン抗体
,
リン脂質
,
血栓症
,
神経症状
Keyword:
SLE
,
抗カルジオリピン抗体
,
リン脂質
,
血栓症
,
神経症状
pp.541-546
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900101
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全身性エリテマトーデス(SLE)に見られる皮膚症状,検査成績と抗カルジオリピン抗体との関連性につき自験例を中心に検討した結果を簡単に紹介した.あわせて当科における抗カルジオリピン抗体の測定法を述べた.抗カルジオリピン抗体は種々のリン脂質抗原との問に交叉反応性を示す可能性が考えられ,抗DNA抗体,梅毒生物学的偽陽性反応(BFP),循環抗凝固因子(lupusanticoagulant)等の異常検査成績と密接な関連性を持つものと考えられる.臨床的には血栓症,および血小板減少にともなって見られることが多い点より,血小板との反応性,凝固因子の代謝に及ぼす影響等が重要な検討課題と考えられる.このほか習慣性流産,多発性脳梗塞を呈する患者においても抗カルジオリピン抗体との関連性が考えられ,これらの患者においては,経過中の抗体価の測定と,適切なステロイド,抗血小板療法が必要と考えられた.
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