増刊号 臨床化学実践マニュアル
II.日常検査における異常値への対応
6.酵素成分
(1)AST,ALT,ASTm
深田 靖彦
1
,
岡 美和子
2
1松江赤十字病院検査部
2松江赤十字病院検査部生化学検査室
pp.120-121
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901507
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■AST,ALT
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase;AST),アラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase;ALT)(慣用名:GOT,GPT)は,次の反応を触媒する酵素である.
両酵素は各臓器に分布し,ASTは主として心筋,肝,骨格筋,腎などに多く,ALTでは肝に最も多く,次いで腎の順となっている.また血清ではこれらに比して,極微量存在しているが,各臓器の損傷によって血中に逸脱してくることから,臨床上有用となるわけである.両酵素の活性発現様式は,それ自身では活性を有しないアポ酵素に補酵素〔ピリドキサルリン酸(pyridoxal phosphate;PALP)〕が結合することによって初めて活性型のホロ酵素となる.次に,日常検査を実施するに当たって,データ解釈上2,3の留意点について以下に述べる.
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