増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
4. 生化学検査
7)AST,ALT
松田 徳子
1
,
山本 慶和
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部
pp.1269-1273
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100286
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本題に入る前にAST,ALTについて概説する.
AST,ALTいずれも体内のほとんどの組織に含まれているが,ASTは心筋,肝臓,骨格筋,腎臓に多く含まれ,特に赤血球には血清中の約40倍含まれている.ALTは肝臓での含有量が圧倒的に多く,次に腎臓に多い(表1).AST,ALTの遊出形式は逸脱型に分類され細胞障害により血中に遊出する.半減期はASTでは13時間,ALTでは31時間といわれ,肝炎の急性期はAST>ALTで極期を過ぎればAST<ALTとなる.慢性肝炎でAST<ALTとなるのも,AST,ALTの半減期の違いによる.
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