Japanese
English
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
酵素,肝機能検査
AST(GOT),ALT(GPT)
AST(GOT),ALT(GPT)
野村 文夫
1
1千葉大学大学院医学研究院分子病態解析学
pp.195-196
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223250
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
検査の概要
aspartate aminotransferase(AST)とalanine aminotransferase(ALT)は,それぞれaspartic acidとalanineのα-アミノ基をケトグルタール酸のα-ケト基に転移する酵素であり,トランスアミナーゼと総称される.以前はASTはGOT,ALTはGPTと呼ばれていた.
両酵素ともきわめて多くの臓器に存在するが,組織中のAST濃度が最も高いのは肝臓であり,次いで心臓,骨格筋,腎,脳,膵,肺,白血球,赤血球の順である.ALT濃度も肝臓で最も高く,肝特異性はALTのほうがASTよりも高い.肝胆道疾患のスクリーニングや経過観察の目的で用いられることが多いが,特にASTは心疾患,筋疾患,溶血性疾患においても上昇する.ASTは肝細胞では細胞質(sAST)とミトコンドリア(mAST)に存在する.健常人血中では大部分がsASTであり,通常はmASTが上昇するのは重度の肝障害の場合である.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.