増刊号 臨床化学実践マニュアル
I.緊急検査への対応
8.酵素
大久保 昭行
1
1東京大学医学部臨床検査医学教室
pp.35-38
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901479
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■緊急検査で測定される血清酵素
1.血清酵素値変動の病態生理
血清酵素値は,障害を受けた組織から酵素が血液中に逸脱するために上昇する.血清酵素値は,障害の範囲と程度が大きいほど,高くなる傾向がみられる.しかし,障害部を灌流している血管が閉塞している場合や,組織全体が荒廃している場合には,血中の酵素値はそれほど高くならない.
血清酵素値と障害との間には次のような変動要因がある.
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