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アミノ酸の酵素的測定—分岐鎖アミノ酵およびチロシン
大久保 昭行
1
,
谷口 健
2
1東大臨床検査医学
2小野薬品工業(株)試薬研究室
pp.513-514
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205599
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体液中遊離アミノ酸値は,遺伝性アミノ酸代謝異常のほか,組織における障害,例えば肝障害,栄養障害,感染に伴う異常などが知られており,その測定は臨床的に有用である.遺伝性代謝異常の場合,早期に診断することで発症を予防することも可能であり,新生児のマススクリーニングも行われている.組織障害,特に代謝の中心である肝の障害の場合のアミノ酸代謝異常は著しく,代償的に筋中で代謝されるロイシン,イソロイシン,バリンの分岐鎖アミノ酸(BCAA)は減少し,主に肝で代謝されるチロシンおよびフェニルアラニンの芳香族アミノ酸(AAA)は逆に増加する.その結果,BCAA/AAA(Fischer比)が低下し,中でも肝性脳症など重症の肝細胞障害時において顕著となることが知られており,その際,BCAAの輸液療法が有効とされている.
血中あるいは尿中アミノ酸の測定は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法が中心であるが,最近,迅速で多数検体の日常検査が可能となる,BCAAの総和およびチロシンの酵素的測定法の開発が進んできたので紹介する.
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