検査法の基礎
先天代謝異常症のDNA診断
成澤 邦明
1
1東北大学医学部病態代謝学
pp.869-875
発行日 1992年10月1日
Published Date 1992/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901287
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サマリー
DNA診断は出生前診断をはじめとして発症前診断,保因者診断に威力を発揮し,遺伝病の予防に大きな役割を果たすものと期待される.DNA診断には病因変異を直接同定する方法とRFLPsを利用した間接的診断法がある.MCAD欠損症のように限られた病因変異で説明しうる疾患では既知の変異を検出するASO法,ASPCR法,制限酵素法などの簡便な直接的DNA診断法が用いられる.
一方,病因変異が症例ごとに異なる疾患ではまず発端者の変異の同定が必要で,そのために直接塩基配列決定法やSSCP法や化学的切断法などが用いられている.発端者の変異同定が困難な家系やいまだ病因遺伝子が同定されていない疾患ではRFLPを利用した多型診断が有用である.
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