生体のメカニズム ホルモン・2
視床下部の役割
芝崎 保
1
1東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科
pp.157-160
発行日 1992年2月1日
Published Date 1992/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900955
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視床下部は循環器系や消化器系の機能をつかさどる自律神経や摂食調節などの中枢であり,またバソプレシンや,下垂体ホルモンの合成分泌の調節に関与する種々の視床下部ペプチドの産出の場でもある.
1950年代の中頃,Harrisは視床下部には下垂体前葉ホルモンの分泌を調節する因子が存在するという仮説を提唱し,それはGuilleminらおよびSaffranらによる視床下部抽出物中におけるCRHの発見により証明された.表に現在まで明らかにされている下垂体前葉細胞に作用する視床下部ペプチドを示すが,これら向下垂体視床下部ペプチドは視床下部諸核の神経細胞で合成されてから,それらの神経線維を介して下垂体茎部を下降し,neurovascular unitより下垂体門脈系に移行し下垂体前葉に到達する(図1).本稿ではページ数の制約上,主に副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(corticotropin-releasing hormone;CRH)と成長ホルモン放出ホルモン(growth hormone-releasing hormone;GHRH)について概説する.
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